かなめトンネル

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秩父を離れたのは、高校を卒業してすぐだったので18歳くらいだろうか・・・。
美容学校が浦和だったので、大宮でアパート生活をしながら、学校が終わると
上尾にあった大手の美容室でアルバイトをしていた。
どうしても美容師になりたかったわけでもなく、就職する気にもなれず、まして大学なんて
行けるほどの金銭的余裕もなければ、もちろん頭もなかったので、なんとなく 「逃げ」 的な
安易な考えだけで、専門学校というゴールなのかスタートなのかはっきりしない大人としてのスタートラインに
並んでしまったわけです・・・・。

始めて秩父を離れ、最初のコンプレックスがこの秩父出身と言うことだった。
美容学校でも、ヤギの美容師にでもなるのか、とか、羊にパーマかけるのか・・・とか、
散々馬鹿にされたことを覚えている。
学校を卒業し、都内で仕事を始めるわけだが、最初に入ったサロンが三軒茶屋と自由が丘を
行ったり来たりと・・・2店を掛け持ちで仕事をすることに。
更に表参道にあるShu Uemuraさんのスクールの門をたたき、1年間みっちりメークアップ漬けになるのだが
その頃から秩父出身って言うことは、なんだか隠していたような・・・・。
熊谷の近くとか、飯能の近く・・・・(w
そんな嘘でその場を誤魔化していたような・・・。
24歳でイギリスに渡り、3年間の美容師人生をロンドンで過ごすことになるのだが、
その頃から、田舎育ちが決して恥ずかしいことでないことが分かり始めたような(w
しっかり自然と調和できる生活のほうが、生き物として自然なことだし、贅沢なんだと
イギリス人から幾度となく教わった。
もう帰りたくなかった秩父にも、何の抵抗もなく帰ってきたわけだし
鮭ではないが、自分の育った水と空気が何よりも心地いい・・・・。
そんなことを思えるようになり、地域の歴史や雑学的な資料を読んでいると
今まで知らなかったこと(もちろん興味もなかったが・・・・)が、自分の周りに溢れ出てきて
忘れないように記憶ならぬ、記録をとるのに大変なったのであります。

だいぶ話がそれたが、今は朝の少しの時間をカメラぶら下げて
懐かしの小鹿野町・・・いやいや、更にもっと奥の倉尾地区に足げに通っているのです(w

本日は、かなめトンネル。
母校である倉尾中学校は廃校となり、すでに無くなっていますが
この中学校の脇にあるトンネルです。
手彫りを強調するかのような、ゴツゴツした質感がなんだか力強く、色々と不思議なパワーを感じ
子供心にすごく怖かった思いでもあります。
最近はこの裏側に新しいトンネルが掘られ、こちらは歩いてのみの通行になりましたが
ひそかに残っておられます。
久しぶりに訪れ、触り、語りかけ・・・・お礼を・・・。


昭和18年12月から黒沢要人氏により、トンネル工事は開始されたようです。
村人の不便を解消したい気持ちが強く、6450円で請け負ってしまったようです。
ダイナマイトで岩を砕き、タガネで岩を掘り進み・・・。
二人の息子さんも、学校が終わると工事に加わり夕刻遅くまで働いたようです。
タガネは小倉沢の鉱山で調達したようです。
戦後はインフレになり、火薬代も高潮したようです。
山林を抵当に入れたり、ご先祖の小判を売り払ったりと。
統制中の木炭を大八車に詰め込み、夜遅く小鹿野の火薬店まで運び、それを火薬と交換したりと・・・。
トンネルを掘れば彫るだけ赤字は増し、資金稼ぎのために出稼ぎまでしたようです。
そんな状態ですので工事も進まなく、見かねた村人達は一軒に6人(日)、工事を手伝うことにしたようです。
女性も土石運びを手伝い、昭和21年7月に15mのトンネルは完成したようです。
村の人々が黒沢さんを称え、かなめトンネルと命名したようです。

完成までに掛かった火薬代だけでも12800円・・・。
この頃の大学初任給が70円
白米10kgが3円の時代ですので12800円が、どれほど莫大な金額かは想像がつくでしょう。
最初に引き受けた時の金額は6450円です。
6350円もの借金をして彫り上げたトンネルになります。

そんなこと何も知らずに子供の頃は通っていました。
もちろん今日でさえ、興味ない人は大人でも知らないでしょう。
 それでいいと思います。
 無理して覚える必要もなければ、触れることも要らないでしょう。
ただし、少しでも興味がある人は、思い焦がれてみるのも敬意を示すにあたると思います。

懐かしい・・・。

そんな感情が沸いてくるものには、何かあるはず。
思い出なんて、そんな大きなものでなくても、子供の頃
「なんでだろう!?」
「どうして?」
そんな、不思議に感じたことでも数十年経っても脳裏のどこかにこびりついているもの(w

今なら調べられます。

ドラえもんはいませんが、子供の頃の  「なんでだろう?」

少しずつ解決していきたいと思っています。
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by summerdun | 2015-09-03 21:19 | 風景・雲・空・やま
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